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2010 11,21 02:09 |
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こういう地味ーなマゾヒスティックさっていいですよね……というしようもないネタ。
一応前回の聖蓉の続きだったりします。 点々とついた赤い線が、浸した湯の中でぴりぴりと沁みる。線、というほど長くはない。聖の爪が、食い込んだだけの痕。見た目より深く、手を使う作業の度に存在を主張し、幾つかには血が滲んでいたけれど。揉み合った訳ではないし無体を強いられてはいないのだ。さびしいことに。 私が抵抗しないのを、聖は知っている。抵抗して欲しがっている。そのくせ拒絶はされたくなくて、縋る瞳で私の上にのしかかろうとして失敗する。ばかな聖。キスマークをたくさん残せば征服したことになると思っていて、受け入れる私に苛立ちを隠せない矛盾した聖。ばかな私は、あなたに安息をあげられていないことに絶望するの。 追い焚きをする短くはない時間にくだらない追想をする。改める気のない反省会。あの時の私と今の私は途方もなく解離していて、愚かな選択を笑う私は左腕の傷口に触れる。もっともあの時も思考する自分は遠くにいて、見えない傷口を広げて聖と対等になった気でいた。触れる、を越えて摘まんだ肌が、突き刺す刺激で小さく震える。痛い。詰めた息が吐かれた瞬間が心地よくて、私は対象となる爪痕を変えては痛覚を反応させていく。聖よりずっと短い爪を重ねて押し当てた頃にじわり、血の気配。 だいぶあつくなった湯船の中で、伸びをした状態の両腕を並べる。同じようにつかまれたのに左の方がひどい、のはさっき弄ったからだけではない。キスをするときに両手を拘束しあまつさえ体重をかけるのはどうなのか。そもそもあれはキスと呼べる代物なのか。自答しない自問は、気泡となり弾けないままいずこかへ消えていく。首を振ると髪から滴がしたたった。もう出た方がいい。理性に従えるなら、私の全身を覆うこの聖の痕跡は何だろう。 聖に爪を切らせなければならない。冷えた首筋を湯に沈めながら、小言をうっかり忘れていたことを思い出した。 PR |
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