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2007 04,14 20:43 |
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呆れるくらいに寝ています。暁を覚えないどころではありません。まあ生気が足りないままで一週間が終わるのも……と思ったので浮上です。以下に江蓉没載せておきます。珍しく書き直ししてるのでそのうち類似品がUPでもされるかもしれません。いい加減このワンパターンさを何とかしたいところ。
気休めなどいらなかった。深く深く染み入っていく、ふたりの境はそれでもくっきりとしている。私は溺れられない。沈んでいく時も、そのまま、抵抗はしない。あっさり突き飛ばされた蓉子も同じなのかもしれない。聡明な、人によっては怜悧な瞳が潤み焦点がぼやけていくのにさして時間はかからなかった。良くも悪くも私たちは親友だ。直感も蓉子の反応の良さも手伝って、拍子抜けするほど簡単に物事は進んで行った。正しい手順、そんな物が存在するのかは知らない。敢えていうなら会話が無かった。意思疎通は多分必要が無かった。 私の、希望的観測に過ぎないのかもしれないけれど。 ちいさくないて、脱力して、蓉子の重みは私にかかってくる。あらい息が服を撫でているだろう、その薄い感触は私には捉えられない。指が丸めこまれジャケットが引きつれるのは分かった。それくらい脱ぎなさいよ、などともうすぐ言われるのか、今は呼吸することで精一杯のはずの、忙しなく動くその唇で次は何を言ってくるのか。意味を持たないことばの代わりに。唯一雄弁だった瞳の代わりに。想像はつかずけれど対する私の反応だけはおぼろに見えた。なまじ見えてしまうからいけないのだ。軽く蓉子を撫でてやる。どこをということも無く、明確な意志がある訳でも無く。さらさらと流れていく。部屋の空気。 ……え、りこ 呼称に溶けるのは残骸。自らの唾を飲み下す音が響き虚ろに消えていく。続きはなかった。欠落、それ自体が自然になってしまう。現実感が空気の密度が酷く稀薄だ。 眠さをこらえる。こらえた、振りをする。伸びてきた腕が掴むその先は無い。気休めは不要。気遣いも無用。境目の把握ばかりがうまくなって行く。 はっ……ぁ…… 吐息の熱さはすぐさま消えていく。表層を執拗になぶる。苦しげな様はまるで鏡だ。 感情と思考と多分理性だけが、静かに残っていた。 PR |
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