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いわゆるオタクの趣味語り日記。百合とラノベが主食ですが無節操。書痴。偏愛に妄想、ネタバレや特殊嗜好まで垂れ流してますご注意。 一応本家は二次創作サイトらしい。
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2007
12,05
03:37
12.
CATEGORY[妄想走り書き(過去ログ)]
(パラレル/志摩子)
見上げた空には相変わらず、何もありはしなかった。もっとじっと見つめても。千切れ尽くした雲がいくつか、原色のカンバスに引っかかっている。今日は洗濯物がよく乾きそうだ。誰かに気付かれないようにこっそりと、溜め息をつく。
……私は何を、期待しているのだろう。
誰も死んでなんて欲しくない。殺されるなど、もっと、嫌だ。それは本心からの叫び。誰もが持っているはずの願いを私は毎日、神に祈り続けている。皆のためだなんて、殊勝なことを言えはしない。結局のところ、私はひとりで彼の人の前に立たねばならないのだから。
けれどそのささやかな矜恃を、私は実のところ持て余してしまっている。
真っ赤な手に息を吹きかけながらその日の天気を確かめる時、あんなに憎んでいた煌めきを確かに探している私がいる。失望と安堵。見つけても、見つけられなくてもやってくるそのふたつが、私の中で冷たく回る。掻き回す。幸せなのだろうか。そんなもの誰にも分かりはしない。半ばやけになった思考は、けして私の外にまで溢れ出しはしない。まだ白い包帯をぱん、と伸ばす。これも使わずに済めば良いのに。昨日、全然足りない、と呟いたシスターは悔悟に溢れていた。その実直さが、私には眩しかった。
きいん、と唸る響き。反射的に見つめる、探す機体の三本の線。まだ新米だからさ、照れくさそうに笑った彼女の印は明るすぎて高すぎて見えなかった。ぱたぱたと村の子が走る音がして、……そしてそれだけだった。長閑な光景は、はためく白布の列が足されたところでそう変わりはしない。降伏の色。けして屈しない、とぎらぎらと目を光らせていた上司、に刃向かう気など毛頭無いのだけれど。勝手に湧き上がる思いを止めることは出来なかった。出来たらこんなところには居ない、と思う反面、出来ないからここまで来てしまった、とも思う。乃梨子の不器用な気遣いが、逆に私を後押しして。
乾きかけた一枚のよじれを直す。もう一度会いたい、でもここには来ないで欲しい。私はあなたにこれを巻きたくなんてない。
ラジオが雑音と共に遥か遠くの地名を告げた。高い高い空と同じくらい隔たりのある場所に彼女はきっといないことだけのために、私は神に感謝した。
手がかじかむんです。
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