日記
いわゆるオタクの趣味語り日記。百合とラノベが主食ですが無節操。書痴。偏愛に妄想、ネタバレや特殊嗜好まで垂れ流してますご注意。 一応本家は二次創作サイトらしい。
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02,12
19:03
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2008
06,07
00:50
波があるんですよ。
CATEGORY[妄想走り書き(過去ログ)]
いきなり拍手の数が跳ね上がっていて何事!? と驚きましたがそういえばSS登録してたんでしたというオチ。物覚え悪すぎ。皆さまこんな私に有り難うございます。
あまり一気に載せるのも、って感じですが私ストックとか作れないのですよ。書き上げたらさっさと出さないと落ち着かない(苦笑)。(だから長い話が書けないんだという噂も。)
そんな感じで今朝方の続きでも。寝てる間にほどけそうですね。
「……っ」
小さく、唇を噛む。流れる水の音がある程度隠してくれるとはいえ、風呂場は多分一番よく声が反響する場所だ。湯気もろくに立たないぬるいお湯なのに、ぴりぴりと沁みる全身に、ずきりと疼く手首。うっ血、と呼んでいいものか、蛇がのたうったような模様に目をやって、ひとつ息をしてからシャワーを当てる。意地でも声は漏らさない。私を求めてくれた証が、嬉しくない訳じゃ、ないのだから。
小刻みに震える右手に持ち変えて、反対にも。乾いていく方がひりひりとしだして、だから中々ヘッドを退けられない。背中が寒くなってきた。もう一度覚悟を決めて、腕を動かそうとして。
「ひゃっ!?」
冷気と言ってもいいくらいの空気が私を襲う。
自然にお湯から離れてしまった左手が、さっきと同じような痛みを伝えてくる。私の身体に当たることなく排水口に吸い込まれていく流れ。そんなことを気にする間もなく、私にかけられる声。
「よーこー」
ぼすっ、と、同時に何かが降ってきた。
「ちょ、ちょっと、聖?」
「んー?」
きゅ、と小気味良い音がして、水音も止む。途端に訪れる静寂の中、聖はひたすらに楽しそう。先刻までの昏い笑いじゃなくて、もっと無邪気で、それだから怖いような。開け放たれた脱衣場から容赦無く入り込む冷たさが、私に周囲をただよう匂いの正体を思い出させた。
「や、いや!!」
逃げようとしたところをぎゅっと抱き止められる。かぶりを振っても、拘束はやまない。強引さはないのに、離してくれる優しさはない。嘘つき、と理不尽に怒りたくなる衝動がわいて、傷をこすられる痛みを吹き飛ばした。身を捩る。ほんの少し前までしがみついていた皺まで見えそうに巻かれたシーツから、逃れようと。
「何がいやなの? 蓉子が嫌がるようなこと、してないでしょう?」
分かっているのかいないのか。聖はいたわるように私を拭いていく。でもそれじゃ、洗い流した、意味がないのに。
胸元をぬぐう拳の感触が、薄い布地の向こうから伝わってくる。けしてそんなことはないのに、先程までの名残をこすりつけられている錯覚。
幸せな気持ち以外は忘れてしまいたいってこと、あるでしょう?
「せ、それは……だ、め」
「どうして?」
疑問は本当に不思議そうに口に出されたから、顔に一気に血が昇った。シャワーを浴びてた時よりも、ずっと、熱い。
聖も裸になっている、と、向き合うように抱えあげられて、気がついた。私に覆い被さっていたときは下着を着けていたから、今日初めての接触。ああ、でもこの白い布が邪魔。私に応えるように、びーっと裂ける音。
……裂け、る?
「え、何やってるのよ!?」
目の前で寝具を破き出した彼女に思わず大声。眉を潜めるだけでやり過ごした聖は、今度は私の手首にそれを巻こうとする。その白さと相まって、それはまるで、
「うん、包帯の、代わり」
「……包帯なら、救急箱に、」
「でもあれだけじゃ両手分には足りないでしょ?」
それにこの血、落ちそうにないんだよね。
思わず点々とにじむ赤黒い汚れに目を向ける。私の水滴を拭いたせいで、いくらか薄まっているようにも見えるものの、結構目立つそれ。確かに、落とすのはかなり大変そう、だけれど。
「……っあ!」
そんなものに気を取られていたからか。突然の鋭い痛みに声を押さえることが、叶わなかった。音を立てて沁みていきそうな気さえする消毒液。いつの間に手に持っていたのか、ぐるりと一周吹きつけられる。まだ大分長い包帯の端を無視して、逆の手首にも。
「……痛い?」
顔を歪めてしまっていた私と目があった聖は、私よりよほど痛そうな表情をしていた。大丈夫よ、心から告げたことばは、掠れながらもタイル張りの室内に響いた。ほ、と息を吐いて、泣いているのか笑っているのか、安心と後悔とを器用に表現する彼女。緩めに巻かれた即席の包帯は、少し湿っていたけれど、確かに私を楽にしてくれた。その両手で聖の頭を抱いて、感謝のキス。
だいたい、鈍痛すら聖が与えるなら幸せになってしまう私が、だから本気では拒絶できない私の方が、ずっと問題なのだ。
そんなこと絶対にあなたには言わないし、気づかせもしないけれど。
舌を掬う。私は平気だからもう苦しまないで、という想いを、沢山、こめて。
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