日記
いわゆるオタクの趣味語り日記。百合とラノベが主食ですが無節操。書痴。偏愛に妄想、ネタバレや特殊嗜好まで垂れ流してますご注意。 一応本家は二次創作サイトらしい。
カテゴリー
新しい記事(未整理) ( 1 )
戯言・拍手お返事・その他 ( 928 )
妄想走り書き(過去ログ) ( 332 )
読書メモ ( 347 )
購書メモ ( 3 )
ゲーム・アニメ系メモ ( 7 )
管理人:レンヤ
・
筆ペン
(本家)
・
読書メーター
・
twitter
2025
02,13
07:30
[PR]
CATEGORY[]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
2008
06,14
03:19
(no subject)
CATEGORY[妄想走り書き(過去ログ)]
誰もいない薔薇の館は、どうしてこんなにも広いのだろう。
意味もなく寄るなんて初めてかもしれない。出席率では蓉子の真反対にいると自負できる私は、本当にふらりと立ち寄ったのだ。会議の有無も知らない、でも蓉子が言いに来なかったってことは、有るにしたところで出なくて構わないレベル、なのだろう。ぎいぎいと階段の軋み、静かなまま開けられ迎えた扉。拍子抜けした。それから、……多分、残念だな、と。
喉が渇いてる訳でもなし、何も淹れぬまま、椅子に背をつける。二本足でゆらゆらと浮かす、考えるのはとりとめもない出来事。頭の中で、いつもの光景が回る。祐巳ちゃんの悲鳴の後の初々しい姉妹劇。江利子との気のおけないやりとりへの蓉子のツッコミ、……ふたりきりのときの彼女のあの笑顔。苦笑に近い、甘い顔。孫と私のじゃれ合いを見守ってる時の微笑みとも違う、私だけに対しての。
いつもの蓉子の定位置を見つめても、勿論それは見られない。分かっているのに目を離せない自分。努力で信頼を勝ち得るような、誰よりも真面目な彼女がここにいない、違和感がまだ消えない。いつも一番最初に来て、最後まで残って仕事をして。後輩ができてからは気を遣わせないぎりぎりで来るようになったけれど、その分教室で色々片づけていたのを知っている。手伝うなんて言える義理じゃないから、せめてと薔薇の館へ来るのを早めたのに、下級生のことも考えなさいよ? と説教されたことも覚えている。空回りの私とは違う、どこまでも完璧な蓉子。
……蓉子は、ひとりきりの時、どうしていたんだろう?
ふと、思う。完璧な生徒会長さまも、書類も何もなくなってなお完璧な生徒会長でいる訳じゃないはずだ。誰もいない部屋で、一息入れながら、どんな考え事を。どんな、表情を。
ぎこ、と揺らした反動で、机に膝をぶつけそうになる。たまには顔を出しなさい、と事あるごとに言われた昔。栞がいるから、じゃなくてお姉さまがいないから、に言い訳が変わった私に、辛抱強く説得で対処した蓉子は、いつも正論を吐いていたけれど。もしかして、もしかしたら。
いつもいてくれたから、の分を差し引いたって今の私は随分ダメージを受けているのに。蓉子はずっと、待ち続けていたのだろうか。行動はしても、強制はしない。だから私の気まぐれな意思なんかを頼りにして、長い、長い間。
「だってずっと好きだったのよ、」泣かせてしまった告白。絞り出されたその曖昧な副詞は、ひどく重かった。いつから? なんて、気軽に聞けないくらいには。
今更な後悔。全て正しくはないだろうけど、記憶の断片を繋いでしまうと、ほんのり見える蓉子の思い。気遣いを知らなかった自分。とす、と足を戻して広い机に頬杖をつく。
甘んじて受けるべき現実があるのに、私は未だに蓉子が来てくれないかと考えている。今日が最初、たった一日の寂しさなのに。
耳までテーブルに投げ出すと聞こえる幻聴。蓉子の足音に呼びかけ、嬉しそうな笑い声。
高校時代にくっつくとしたら……いつだろう? やっぱり志摩子の後、祐巳の前? うーん……。
PR
コメント[0]
TB[]
<<
ちょっと柄にもなく忙しい。
|
HOME
|
書くことはいっぱいあるけれど
>>
コメント
コメント投稿
NAME:
MAIL:
URL:
COLOR:
Black
LimeGreen
SeaGreen
Teal
FireBrick
Tomato
IndianRed
BurlyWood
SlateGray
DarkSlateBlue
LightPink
DeepPink
DarkOrange
Gold
DimGray
Silver
SUBJECT:
COMMENT:
PASS:
trackback
トラックバックURL
<<
ちょっと柄にもなく忙しい。
|
HOME
|
書くことはいっぱいあるけれど
>>
忍者ブログ
[PR]