懲りずに続き。第一話完？
戦争パラレルとは別軸のつもりでしたがどうしようかなあ……佐藤の立ち位置、つらつらＳＳ書いてくうちに予定とどんどんずれてくんですよね……。そもそも展開をろくに考えてないシリーズだし……。(ラストだけは一応決めてるけど。)
……でも江利子にあれだけ入れ込んでおいてあっさり聖に落とされるのもちょっと嫌だな……。うーん。

















あの、セイ！

ん？


無表情と不機嫌の中間くらい、な姿。明るい声はどうみても無理矢理絞り出されている。私は彼女を何も知らない、知らないけれど。

諦めて目を閉じる。こうなったのも自分の所為。あの瞳を私は見つけてしまったから、もうどうしようもないのだ。理性をいくら磨いても、結局直感には勝てない。だからきっと、私はセイを拒めない。


目に何かが当たる。最初くらい彼女の硝子玉のような煌めきを見ていたかったな。わがままな自分を頭の中で笑えばそっと押し当てられる唇。
前戯というには余りに温い。


……おやすみ

え、


素っ気なく離されたのはどうやらセイの手の平だったらしい。ぎしぎしと窮屈に身体を動かす音、それから呆気なく静寂が訪れる。
動けなかった。彼女に一瞬でも押さえられてしまったら、それに抗うことなどできそうになかった。


不自然な体勢に、ほんのり暖かい存在に、焦ったけれど身体に蓄積された疲労は私をあっという間に闇に落とす。
久しぶりに、悪夢を見なかった。