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いわゆるオタクの趣味語り日記。百合とラノベが主食ですが無節操。書痴。偏愛に妄想、ネタバレや特殊嗜好まで垂れ流してますご注意。 一応本家は二次創作サイトらしい。
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2008
09,21
22:04
(no subject)
CATEGORY[妄想走り書き(過去ログ)]
蓉子の誕生日話は諦めました。代わりにというか一応おめでとう、ということでまともな(笑)SS更新。桜咲いちゃってますが。
来年はもう少ししっかり祝いたいです。ちゃんと作中で(苦笑)。
優 し い 重 み
夜桜を、見ていた。
不審者を監視するはずの、保育園の夜光灯。私たちは中に忍び込んだ訳じゃない、門の前、可愛らしい駐車場にビニールシートを敷いて。ささやかなふたりの宴。立派な樹の幹にもたれたら、聖は頬を膨らませわがままを言った。私以外のものに身を預けないでよ、とか、なんとか。
恥ずかしいくらいの独占欲のかたまりの彼女は、今は私に完全に体重を預け眠っている。おかげで私は件の桜にもたれざるをえず、聖が蹴飛ばしたビールの空き缶を拾い上げることもできない。本末転倒だ。プレスされた身体を少しでも楽になるようよじって、ため息をつく。
光に照らされた桜は綺麗だった。輪郭が、暗い辺りのために、よりはっきりしたような。ひらひらはらりと落ちてくる、きっともうじき役目を終えてしまうのだろう小さな花びら。今度一度でも雨が降ったら、すぐ葉桜になってしまう。
どうして私と花見をしようと思ったのか、聖は言わなかった。だから私も聞かなかった。なんて私らしくない考えだろう。聖は本当にここにある桜を見ているのか。聖は果たして私を私として見ているのか。澄んだ瞳の奥を覗くことを諦めて、私はただ弁当をつついた。
死体が埋まってるんだっけ? そんなことを言いながら平然と唐揚げを摘まむ聖を、私は理解できないと思う。でも、どうして私だけを今日ここに誘ったのかくらいは、理解したいと、思った。聞いたって素直に全部本心を見せてくれるとは思わないけど、聞かなきゃ片鱗すら見せないだろう、今の聖を。
眠り姫を肴にして、ふわふわとした酔いを楽しむ。もう飲めない。もう飲んじゃだめ、と背の低い缶を取り上げた指は、関節の存在を感じさせないほどすらりとしている。浮いた肩甲骨のために意外に骨ばって見える背中が少しはだけている。ざっくりとしたシャツは聖に良く似合う。二人分の体重を支えていた手で、髪に乗った桃色をとってあげようとして、やめた。
スカートのフレアが変に折り畳まれ、でこぼこした感触がある。でも直すために動くと聖を起こしてしまうかもしれないから。無意識に擦りつけられ肌の上で跳ねる勝手な髪。彼女は私のことなんかいつだってお構い無しなのだ。自分の弱っているときだけ気を使ってくる。まるで遠回しな自傷行為。
今、素直になってくれてるなら、それでいいか。
細い髪に落とした口づけは結果的に桜を落としてしまった。寝てしまう訳にはいかない、だから私は聖を見ている。聖のことを考える。カーディガンの隙間から風が吹き込む度に頭上の枝は花を減らす。もっともこのままふたり埋まってしまうにはとてもとても足りない。
聖の重みが、体温が心地よかったから片手だけを回してその痩躯を抱き抱える。
のどかな風物詩をも侵食するほの暗い闇には、敢えて踏み込まないままで。
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