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いわゆるオタクの趣味語り日記。百合とラノベが主食ですが無節操。書痴。偏愛に妄想、ネタバレや特殊嗜好まで垂れ流してますご注意。 一応本家は二次創作サイトらしい。
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2010
02,12
13:59
グッドオールドディズ
CATEGORY[妄想走り書き(過去ログ)]
テロメアとか書いてた頃の副産物だったのに微妙に続きますこの話。
江志です。
妹と付き合うことになりました、と、几帳面な彼女は几帳面な字で私に手紙を寄越してきた。裏面に住所つきで差出人の名前も明示されていたことで、父兄の網をフリーパスでくぐり抜けた紙の束は、志摩子らしい間の取り方で近況が綴られていた。
読み終えた勢いのまま思わず電話をかけてしまったのは、志摩子や山百合会や、あの学園が懐かしかったからだけではない。私らしい思いつきが、志摩子の生の声と約束を求めたからだ。「…わかりました、伺います」という言葉を担保に取りつけた再開は、勿論過去の空気と現状との齟齬を引き連れてやってきた。
「縦書きで筆文字かと思ったわよ」
「失礼ですね」
「そう?
だって志摩子って言ったら、「和」ってイメージなんだもの」
誉めてるのに口をとがらせる志摩子。可愛らしい桃色の唇は、今は彼女の妹のもの。ああでもまだそこまでは進んでないのかしら。ついさっきからかった際に見た随分と初々しい慌てように、ゆるく目を細める。起こってから未だ10分と経ってない出来事だって、懐かしいものはもう思い出だ。束の間で過ぎ去った時間に溶けた甘さも、幸せも苦くはならなかった。彼女もそうなら嬉しいし、ついでに言うなら今の恋愛のもそうなれればいいわね。なんてのは流石に意地悪か。
「偏見ですよ」
「人の視点が偏るのは当たり前でしょ?」
「変な目で見ないでください」
「あら、意味深な発言ねぇ」
主に志摩子がもっていた緊張はあっさりほぐれ、昔のように訪れる軽口の応酬は普段の私たちを知る者ほど驚かれるだろうことに変わりはない。和の話が流れてしまう前にさらりと言を継ぐ。
「今度、お茶を点てて頂戴」
「え?」
「私のためにだけ、点ててね」
「……どういう、意味ですか」
机に差し向かいの志摩子がわずかに警戒をみせるのに、噴き出しそうになるのはかろうじて堪えた。幸せそうじゃない、という感慨を抱けるのは私だからだ。純真だけれど本当は皆が思うほど清廉ではない彼女は、少しばかりくすんだ感情を戸惑いがちに私に向けてくる。
「乃梨子ちゃんにひとつくらい後ろめたいことを持ってたって良いでしょ」
それくらいの役得はあったって良いじゃない。最も、昔の恋人の恋人に恨まれる、なんて役回りを得だと考えるのなんか私くらいかもしれない。
「そんな、」
「嫌?」
付き合うことに「なった」という相手が、今の志摩子の脳裏には浮かんでいるのだろうか。その少女はどんな表情をしているのだろうか。今私は笑っている。志摩子は困っている。ふたりの思惑に挟まれた下級生。
「……わかりました」
「ありがと」
顔をあげた志摩子は複雑な感情を沸き立たせていた。はじめて知った情緒に戸惑うような様に、無くした初恋を想起させられて苦笑いする。
きっと志摩子は最上のものを飲ませてくれる。
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