2024 05,10 21:28 |
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2010 11,12 22:40 |
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昨日送信できてなかったorz
しょうもなさすぎて再度送るか迷いましたがまあ季節ネタですしね。風物詩風物詩。 「ほら!」 「鉛筆でもくわえてなさい」 「やだー短くなんないじゃんーちゅーできないじゃんー」 「そういうゲームじゃないでしょう」 「そういうゲームだよ?」 同系統は王様ゲーム! と人差し指を立てる聖。でもふたりっきりだとメイドさんごっこだよねーと突っ込みどころしかない発言をぽんぽんとよくもまあこんなに立て続けに。 「祥子が全部折っちゃったわ」 「じゃあ短いからキスし放題!」 こういうことにばかりポジティブに生きる目の前の馬鹿を胡乱に見上げる。ぐりぐりと胸元を今にも押してきそうな手が私と薄皮一枚分くらいの隔たりを保っている。 「私はしないわよ」 「えー他の子とやってもいいのー?」 「あなたは他の子とやりたいの?」 「……そーいう聞き方、ずるい」 「あんまり学園の風紀を乱さないの」 「理論武装反対!」 だって他のやり方じゃ勝てないもの。 境界線は張り直しちゃいけない。限度を失ってあなたを失うのが嫌なの。甘やかし尽くしてしまいたくなるから。 むう、とわざとらしく膨れてから自分でぽりぽりかじる聖の手から長めのを一本。 くわえたままぱきりと折れば、きょとんとした聖の元に短い柄の部分だけが残る。 赤くなった後でまとめて落としちゃってまあ、どうしようもない。行動でぐらい勝ちなさいよと解除した理論武装を弄んで。 おかしかったし幸せだけれどここで笑ったら機嫌を損ねそうだから、口の中の甘さと共に水筒のお茶で流し込んだ。 PR |
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2010 11,09 18:53 |
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和風パラレル3話目。江蓉要素も含有してます。
聖をつんけんさせるのが楽しくてちょっとやりすぎた感。 カツンカツン、と敷石をわざと蹴りながら踏み入れた先に、嫌な顔を見つけた。 よっぽど踵を返そうかと思ったが顔をあげらればっちり視線もあってしまったとあれば、このまま帰る選択肢は嫌でも潰される。更に不本意ながら今日の私は用事を言付かっている身なのだ。非常に腹立たしいが。 全てから逃げることが格好いいとは思わない。すべきことはする。最低限は。 「どうしました?」 「敬語、やめて」 こいつみたいに余分の貧乏くじを喜ぶ変態ではないし、伝統だの作法だの、馬鹿らしい大仰さは嫌いだ。 苦々しさが滲み出ているに決まっている私に深々とお辞儀の後に挨拶、空気にまで折り目が入りそうなくらい丁寧で苛立たしい。 「そういうわけには」 「私がやめろって言ってんの。 やめて」 ふう、と息を吐かれる。 睫毛と共に一度閉じた瞼がゆっくりと開かれた時には、私への敬意の色が変わっていた。 「どうしたの?」 江利子に用? 態度にささやかな矜持が見える。 何に対してかはわからない。知りたくもない。 「呼び捨てなんだ」 「……ええ」 ゆるく振られた首は、相変わらず寒々しかった。くだらないことを覚えている自分に嫌悪する。 「あなたの名前は?」 「……佐藤聖」 あれから幾度か見かける内に、嫌いな種類だと完全に認識された。 そんな相手に何故名前をとも思うが、名乗らねば引き下がられるのは目に見えている。 そうだそれにこいつには取り次ぎを頼まなければならないのだ。江利子の代わりだと思えば幾分マシだと思えなくもない。 「佐藤さん」 「聖で良い」 「…聖さん」 いやしかし江利子つきのこいつだとまずは江利子に報告されるんじゃないのか。 寒い中を門前で待たされるのは御免であるし、江利子の顔など更に見たくない。 ……そういえばあれから江利子と一緒にいるところを見ないな。 「いつもここにいるの?」 「この時期は、毎日掃かなきゃいけないから」 ばかでかい樹に目をやって、終わらない仕事をさせるそいつに愛しげな表情を見せる。理解不能だ。 「でも半分は好きでやってるの」 落ち葉って、綺麗でしょう? その笑顔は何故私に向けられたのか。 「……くだらない」 焼き芋でも作ってればいいのよ。 負け惜しみは宙に浮いていた。 |
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2010 11,09 01:19 |
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一体どこをさ迷ってたんだ……まあなんとか無事にたどり着いたならいいか。変なところに漂流されたら目も当てられない。
単発で江蓉。続けたいけど続くかな……。 好きじゃなくていい、と江利子はいうけれど。 好きでいい、とはいってくれない。 だから私は。 ……一体何をしているのだろう。 ふいと紛れ込む逃避行動は、大抵が自問自答の形になる。江利子の私物に手を伸ばす私が、私に小さくかける問い。 あざ笑うことを前提にした問いかけ。答えの愚かさを、答える愚かさを知っている。 生み出す脳は、思考を拒否したいのだ。 ゆるりと笑めば、目測を誤った指先が使われなかった平皿を弾く。噛み合わない世界。ばかな私。材料より調味料より前にわざわざふたり分用意するくらいには。 浮かれていたのだ。来ないかもしれないと少しだけ予感していたから余計に。浮わついたごまかしが白々しく机に残る。洗濯した彼女の服はいっそラッピングに近いかたちで袋の中。一緒に仕舞いこんだ心を取り出してやり直したい。 来られなくなった、のだと知っている。 パワーバランスの傾きは私に告白もさせてくれない。 代わりの愛をすべて受け流す江利子の現在を思って、想像して、勝手に傷つく私の部屋に、江利子の私物が沈黙を落とした。 |
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2010 11,08 02:20 |
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江蓉です。これで最後……のはずだったんですが、ぼやぼやとネタだけはわいてるんでいつかまた。書けたらいいな。
延長戦……といえば両軍お疲れさまでした。うん凄かった。 「で、嫉妬してたんでしょう?」 「しつこいわよ」 今が盛りの銀杏並木をふたりで歩く。一緒に残ります、と言った私にくすくすと鍵当番を言い渡したお姉さま方は、もうだいぶ前に帰ってしまわれた。夕陽と微風との相乗効果でなかなか壮観な紅葉も、毎日見ていれば望外の感動、とはいかなくなる。聖はもう帰ったかしら。重たい鉛玉を呑み込んだ私に、江利子は目を向けることなくただ隣を占拠してくれている。 ゆっくり歩いてもあっという間、なのはその門が江利子との別れ道だからだ。習慣のお祈りに籠めるものに少し悩んで、目を瞑りながら苦笑い。でもいつまでもこうしているわけにもいかない。 「それじゃ、ごきげんよう」 「待って」 「え?」 素っ頓狂な声が出たのは不可抗力だ。 ぐぐっと近づいた江利子は、唐突に私の頬を手で撫ぜて、ひとりで納得したかのように頷いた。顎のラインに添えられる指はまるでキス、するときのようで。ぎりぎり学園の敷地外、でいったい何がしたいのよ。 「一緒に帰りましょう」 「はい?」 「だから、蓉子の家まで歩かせてよ」 蓉子が嫌じゃなければ、だけど。 正直悪趣味の域の至近距離で話しかけてくる江利子はそれはもう見事に人の退路を塞ぐ。嫌なわけはない。嬉しくない、わけもない。どうせ校内でしか一緒にいられないのに長々と待ってたのは何でだと思ってるのよ。勿論江利子だって知ってるから、嫌味として口に出せもしない。 どちらとも取れる頷きで返答した私に、江利子はくすりとして呆気なく離れた。あ、と口の形だけが声をあげた私の髪が、風より優しい手で撫でられる。 「蓉子の家着いたら、電話貸してね」 迎えに来てって家に電話するから。 叔父さまやお兄さま方が報われないわ、とため息をつく。言っても無駄なのは今更だから徒労に終わる労力を敢えて出そうとは思わない。 「もうちょっと幸せそうな顔しなさいよ」 呆れた風情に呆れてるのはこっちよ、と態度で反論するとするりと腕が回った。慌てて振り解く。ついでに家の方角に歩き出す。 いい加減拗ねないの、という的外れなことばには無視で応えて許してあげるタイミングへのカウントダウンを頭の中でゆっくりとスタートした。 |
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2010 11,06 23:58 |
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映画上映おめでとうございます。
告白ごっこ、江蓉のターン。下級生時代なのでいちゃついてます。純粋両想いです。幸せって素敵ですね(笑)。 「今日の令、可愛かったわー」 「……はぁ」 にやにやを通り越してにたにたと笑ってる江利子は正直ちょっと(、いやかなり)気味が悪い。彼女のこんな表情も、ついでにいうなら態度も今更なんだけど。慣れれば気味悪さが薄らぐかといえばそんなことはないし、第一慣れられるようなものでもない気がする。 「可愛かったのよ」 「へぇ」 ここで何が、と聞き返したりしちゃ絶対にいけないのは今までの経験で織り込み済みだ。微に入り細に入り説明されるか、私には理解不能の文法と技法で表現されるか、あまり歓迎したくない二択をあちらの都合で選ばされることになる。問答無用の用例をテストで聞かれたら是非解答したいぐらいの模範ぶりなのだ。(しないけど。)避けて通れるならそれに越したことはない。 今にも踊り出しそうなくらい上機嫌で書類をめくっていた江利子ははたりと束をしならせて、そしてこちらを向いた。思わず身構えたのは防衛本能として正しい判断、よね。 「蓉子、妬いてる?」 「…なんでそうなるのよ」 それは何、私が祥子自慢をしたら江利子も妬いてくれるってことかしら。 祥子の最近可愛かったところならふたつやみっつすぐに出てくるが、どのカードをいつ出したところで盛大に嫌がられるか鼻で笑われるかで終わりそうだ。予想した表情のどこを分析しても嫉妬なんて御大層な成分は全く含まれていそうにない。 「なんでって言われても、ねえ」 「ちょっと江利子、顔、近い」 大きなテーブルを乗り越えて伸びてきた上半身に、こちらの上半身を仰け反らせることで逃げようとする。はやく手にもってるそれ終わらせなさいよ、待ってるんだから。手伝おうかという申し出は辞退したくせやる気もないときては律義に待ってる私が報われない。一年生に割り当てられる書類なんて今の時期そんなに重要でもないのだし。ちょっとだけ残ってる令お手製のクッキーを退屈しのぎに食べてしまうのは色々な意味で気が引ける、し。 「遊んでないで、はやく終わらせて」 「やっぱり妬いてるじゃない」 「違うわよ」 「意地っ張り」 これ以上会話を続けていても勿論江利子の仕事ははかどらないので、口をつぐんだ私に江利子は相変わらず普通からおおいに外れた笑顔を見せる。言い返しても無駄だ。結局私がこうやって折れるはめになる。やる気がないなら急ぎでもなし、明日にしてしまえばいいのに自分から進んで引き受けたものだからと再び目を落とした江利子はそうね、微笑ましいと言えないこともない。 妬くなんてとんでもない。そんな私の心境を知らない江利子は、一体どの要素からか鼻歌混じりでペンを握り直す。私のためも含まれてるかも、とは敢えて考えないことにする。赤面しちゃいそうだし。 |
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2010 11,04 21:14 |
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あいかわらずの由令。
中等部の由乃、可愛いですよね。だって薄幸の美少女ですよ……一応儚げキャラの志摩子だって持ってない称号ですよ(笑)。 帰ってこないなあ。 集中して観てた時代劇がCMになって、ふっと沸いた思考は私をほんの少し退屈にさせた。令ちゃんを待つ、という行為はもう慣れっこを通りすぎて日常の一部みたいなものだし、更に言うなら令ちゃん以外の相手も含めた誰かを(あるいは何かを)待ってる時間は私の人生をかなり占拠していた。それって何かむなしいことよね、と小さくため息をつく。あんまり大きいと令ちゃんが心配し過ぎるから。今はいないけど。 ひとりで身体丸めてテレビを見つめてるのも大概さびしいことなのかもなあ、と思って、ちょっと意識的に背筋を伸ばしてみる。CM長いなー、ていうか同じのやりすぎよ。そのギャグは正直もう飽きたわ。 しっかり覚えてしまう辺り罠にかかっているんだわ、と舌打ちをする。これも無意識のうちに小さめに、だって令ちゃんが……ってだから今はいないんだってば。私は主演男優のかっこよさに素直に痺れてれば良いのよ。今日の悪役も渋くて良い感じだけど。悪行成敗ですかっとしたい気分だから是非かっこよくやられて欲しい。 ……そういえばここまで元気なときに令ちゃんが隣にいないって珍しいかも。 可哀想な村の風景が映ったところですっぱりと切り替えようとした意識は、思考主の思惑に反して頑固にくすぶり続ける。熱が出て頭がぼうっとしていたりとか、身体の節々が痛いときとか、はやく令ちゃんこないかな、とベッドで待ってる休みの日にはもう慣れたけど。くっきりはっきり健康体(令ちゃんは私がどんなに元気でもこうは言わないけどね)なときに令ちゃんと離れるのは、うん、そんなになかった。令ちゃんの修学旅行とか。大会の遠征とか。ごめんねごめんね、としまいにはこっちが怒り出すまで謝り続ける令ちゃんの情けない声を思い出して、ふうっともう一回息を吐く。 今度CMになったらクッキー持ってこよう。令ちゃんが昨日呆れるくらい焼いてた奴。 本当はもうだいぶ集中力は切れちゃってるけど、(どうせ現在進行形で録画してあるし、)お気に入りの俳優には意地でも背を向けないんだから。だいたい令ちゃんが悪い。お中元のオレンジジュースも合いそうだよね、って言ったらじゃあ明日はそれでお茶会にしようか、と笑ってた令ちゃんがもう夕飯も近いのに帰って来ないのが悪い。 ひとりっきりでするわがままもつまらない。腕を組みながら睨むように画面を注視する。(彼の台詞に集中してるからであって断じて八つ当たりなんかじゃない。) 伸びたはずの背筋が丸まって、令ちゃんへの呪詛が勢い余ってふた回り近くした頃、やっと待ち望んだ声が聞こえた。 時代劇なんかとっくに終わっちゃったわよ今観てるのは録画! 挨拶して欲しかったらもっとはやく帰ってこい。 待ってたんだから。ばか令ちゃん。 |
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2010 11,02 21:19 |
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蓉聖っぽい聖蓉。目指したのはベタ甘。
君が僕を。の3巻章題にひっそりたぎったのです。 骨フェチではないつもりですが鎖骨や肩甲骨はとても好きです。 背中、すき? ……ええ、背中も好き、かしら でも、 ふふ、くすぐったい きもちいい? あら珍しい びよん、と伸びた腕が器用に。 聖の背に触れる私の頬に触れ、捕らえたと思ったら撫でさすって去っていく。 うつぶせの彼女には見えもしないくせに。口を尖らせたくなるくらいには小憎らしい。そうできないくらいにはいとおしい。 翼の名残……、 よーこってさぁ、ほーんと、 何を言われるか、私だって、わかっている。 とても静かな期待が胸を満たす。さっきまでの聖の指が、舌が声が洗っていったわたしのこころ。 それでも若干の気恥ずかしさが空気に溶けて。くすりと笑う聖。 そーいうロマンティックな話、好きだよねえ 呆れた? んーん、感心してるの ばかにしてるわね まっさかー 浮き上がる肩甲骨。聖の骨ばった身体、には、途方もなくふさわしく。 そうかもしれない、ってところがいいんじゃない 舐める、を通り越して軽く歯を立てると聖は身を捩った。快感からではない。悔しいことに。 いったん四散した空気を、もう一度呼び戻すのは難しい。だから考えないことにする。 ろまんちすとー …もう いつもの2文字は口の中。一緒に含んだ聖の肌。 蕩けるというよりは、これからぐずぐずと崩れていきそうな笑い声が近くでして、もう一度右腕が伸ばされる。微かに身体を捻る予兆。 ああ、やっと捕らえられる。 |
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2010 11,01 05:25 |
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遅刻。
いや今年は元々江蓉の予定だったんですよ。現在1勝1敗、な某方の更新に色々吹っ飛びました(笑)。初夏の頃、……まあサイトの更新状態から想像つくやもしれませんが、ちょっとマリみてから離れてた……というよりは二次創作からずれたところにいたんですよね。つまり実質初見……ごちそうさまでした。 ……そうか他所さまのサイト巡っておかなきゃなんだ……。ハロウィンは今日あがいて無理だったら諦めます。肉付けに失敗した小ネタ置き逃げ。 祐巳ちゃんでも悩むよねえ 当たり前です ありがと ……意味がわかりません んー? 怒ってくれて やっぱり意味がわかりません だってさー、蓉子相手だったらこういう反応しないでしょ? できるわけないじゃないですか 恐れ多い? …… じゃあさ、江利子だったら? ……どうしましょう ぶっ、そうくるか 何がおかしいんですか あっはっは |
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2010 10,30 00:28 |
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これがハロウィンでもいい気は割とします(笑)。
由令由令。下級生同色CPはどれだけ可愛く甘くしても許されるって信じてる。 「令ちゃん」 「え、何?」 「焼きすぎ」 「うっ」 太らせるつもり? とか聞いたら由乃はもうちょっと肉をつけた方がいいよとかこの従姉は真顔で言いそうだ。少しばかりしょぼくれた令ちゃんはそれでもちらちらとこちらを伺っている。おいしいことなんてわかってるんだから、急いで食べることもないじゃない。その態度に言い返したら本気でへこまれるかしら。 これってサディスト? ふと感じた疑問は写真と伝聞でしか知らない姉の姉にあたる予定の人の笑顔で押し潰された。それはもう一瞬で真空圧縮だ。ああもう、想像だけで腹が立つ。会ったことないけど! 会ったらもっと腹が立ちそうな気がしてるけど! 思わずわしづかんで口に放り込んだクッキーはココア味。紅茶がよく合いそうにほろほろと崩れていく。おいしい、のは勿論なんだけど、如何せん腹の虫が収まらない。 きっと睨みつけると途端に不安そうな顔をする令ちゃんに、見たこともない上級生への八つ当たりをひけらかすのも馬鹿馬鹿しくなって、おいしい、と叩きつけるように告げる。ついうっかりって奴だ。紅茶が飲みたいこないだ買ったあれがいいのねえ令ちゃん淹れてよ、まで心意気は一息で。 ぱっと顔を輝かせて(本当、単純なんだから)いそいそと準備に向かう令ちゃんを見ながらもう一枚つまむ。今度はプレーン、いやバニラか。まるい形のは多分ドライフルーツ入り。 私が一番、の令ちゃんにほんのり(しっかり)優越感を覚える悪い子は毒味と称して全種類ひとつずつつまんでいく。大好きなココアは全部もらっちゃおうかな。嬉しそうな令ちゃんの笑顔と一緒に。 |
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2010 10,29 03:01 |
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由令小ネタ。
実は改造前(笑)の話がとても好きですもっと読みたい。仕方ないので自家発電。 「由乃」 「なーに」 「好きだよ」 「うん」 昨日私が焼いた(一気に焼きすぎだと怒られた)クッキーを頬張る由乃に声をかける。あっさり頷いた由乃はこちらを見もしない。まあ時代劇の再放送に割り込んだ私が悪いんだけど。テレビで今流れているのはCMだけれど、結構真剣に画面を睨んでる彼女の姿は客観的に見るとちょっと怖い。 斬った張ったの世界はあんまり見たくないから、背中合わせにでもして座りたかったけど、なんとなく諦めて私は由乃の頭を一回だけ撫でた。 「ジュース持ってくるね」 怒るというよりは不審そうにこちらを見上げた彼女の頬についてた菓子屑をついでにつまんで、隣の台所に足を向ける。 オレンジねーという声より前に、橙色の液体をついでほっと息をついた。 |
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2010 10,28 12:26 |
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不人気カード噴いたw
そんなことより星野監督……マジですか。とかいう話題はあんまり書かないようにしてたんですけどね。元々振ったのは自分ですね(笑)。 黄薔薇なふたりです。 見透かされてるなあ、と思う。 あんまり嫌な気分じゃないけど、こんなこと考えてしまうことすら傲慢かもしれないけど。 お姉さまってすごいなあ、って。 感嘆をひきつれながら道を歩く。やっぱり傲慢かな、思い上がりかな。 だってそれって、私のことわかってくれてる、って感じることだ。 通い慣れた景色は、ひとりだといつもより味気ない。ぼんやりと浮かべた由乃の姿は朝の恰好。 観たいテレビがあるから先に帰るね! はしゃいだ顔の色はよくよく見ても元気そうだったから、私は頷くしかなかった。 ……気をつけてね。 機嫌を損ねるってわかってても、そう言わずにはいられない私に、由乃は珍しくもにいっと笑っただけで、最近お気に入りの鼻歌を聴かせてくれた。 どことなく荘厳なあれは、多分今やってる剣客物の主題歌だ。 早引けの理由をまさか時代劇にするわけにもいかず、健康とは言えなくとも小康状態の由乃への心配を口にするのは明らかにルール違反で。 私の不安定を容易く宥めたお姉さまももうとっくに裏口でごきげんようとお別れしてしまっていて。 心細い、の一歩手前のもやもやが、影になったみたいに私の足元の黒は長く伸びている。 ……強がるのはやめて、前を向いてまっすぐに走っちゃおうかな。 首にかかるロザリオを思いっきり揺らして。 |
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2010 10,27 00:48 |
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令と江利子。ほんのり×というか→というか。
1年前に書いて、時間軸を盛大に間違えたせいでお蔵入りしてたのですがこれだけ改造すればなんとかなることに気づいて復活。 CPは由令と江蓉です。次の話から。 「お姉さまが、好きです」 前後の文脈も状況もすっ飛ばして唐突にそう言われて、平然とした顔で妹を見返せるくらいには私はポーカーフェイスに自信がある。 「由乃ちゃんの次にでしょう」 「……いけませんか」 「そんなこと言ってないじゃない。 私だって、令より自分が大切だし」 「……はぁ」 毒気を抜かれた顔。私で抜ける毒なんてまあ大概まともなものじゃない気がするのだけれど気のせいかしら。 「半身みたいなものでしょ、あなたにとっての由乃ちゃんは」 「半身、なんて」 恐れ多いです。なにより私と由乃じゃちっとも似てませんよ……! 上級生相手に声を荒げられない令は困った顔のまま。 言いつのる、食い下がる姿も外見に反して随分と可愛らしい。好き、と言い換えてもいい私の気に入り、は哀れなことに私流儀の愛され方をする。 「こだわらないの、どのみちくだらないことだわ」 「くだらない、ですか」 「そ。 しょせんただの言葉遊びよ」 結んで開いて、やあやとりよりはもう少し建設的かもしれない。 そんな比較自体くだらない、それだけのもの。 「大切なのはあなたが私を好きで、私があなたを好きだってこと」 「あ……」 「違う?」 「違いません!」 勢いの良さは流石黄薔薇ね、と、漏れそうになった笑みをおさえる。似ていない姉妹だと言われるのも構いはしないし、事実令が私に似ていたらたいそう気味が悪いだろうが、細かな繋がりにこじつけるのは悪い気分ではない。 「はい、万事解決。 じゃあやり直しね?」 「はっ!?」 「「お姉さま」相手に告白されてもあんまり嬉しくないわ」 「あ、そ、それは!!」 「言い訳するつもり?」 「うっ……」 頬を染め可哀想なくらい狼狽えているあなたを見るだけで、本当は充分なのだけれど。 言って安心させてしまって今後もうこんな可愛い顔が見れなくなってしまうというのも残念だし、ね。 |
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2010 10,18 21:51 |
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……終わらなかった! orz
この語り口をさせると、聖というより佐藤と呼びたくなります。昨日の続きです。 「どちらかといえば紅茶派だったけど、 珈琲ならブラックで、 緑茶は……まあ祐巳ちゃんでもない限り何か入れたりはしないだろうけど」 「グリーンティおいしいですよ」 「あーうん蓉子は好き」 「わぁ!」 おばあちゃんっ子は遠慮がない。 素敵ですね! の意味はいまいち分からないけど気にしたらいけないのだろう。たぶん。 「祥子の好みはよくわかんないよねえ」 「聖さま、失礼です」 今度はちゃんとぷくりと膨れる……かと思いきや口がアヒルになっただけだった。 しかもそのままココアに息を吹きかけている。なんでも血筋のせいにする気はないけど、(そもそも疑似だ、)猫舌なのは紅薔薇の伝統だよなあとしみじみ思う。祥子もその意味ではしっかり紅薔薇だった。それから蓉子のお姉さまも。 蓉子と似てるねって言ったら祐巳ちゃんはものすごく喜ぶだろう。反対に蓉子に祐巳ちゃんみたいって言っても、ちょっと眉を下げてからやっぱり嬉しそうな顔をしそうな気がする。祥子が混ざったって、勿論。 嫉妬心がまったく沸かないのはさて一体誰の人徳に依るものか。ココアに息を送るだけ送って、口をつけもしないままフォークを取った祐巳ちゃんはまるで恋でもしてるみたいに蕩ける笑み。向かう先はケーキ。 「……味わい深いねぇ」 私には適温な珈琲を啜る。ふぇ、何がですか、と祐巳ちゃんの顔が訴えている。 実際に口を動かさないのはひょっとしてものすごく成長したって言えるんじゃないだろうか。なんでさっきから祐巳ちゃんの今昔を比較してるのかわからないけど。 ……懐かしさと嬉しさ、少しの感傷。 |
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2010 10,18 01:50 |
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昔「しあわせ分譲中」という頭が春なSSを書いたのですがその派生モノ。CPとしては聖蓉・祐瞳でした。
次回続き書いて終わりです。眠いです。 一本取られた。 注文は決まってるのにメニューを開く私を見て、祐巳ちゃんはまだ笑ってる。 私のことを、じゃなくて、幸せでたまらないって表情で。 「ごちそうさまです」 「いえいえ」 今日のブレンドとココアとフォンダンショコラ。白エプロンがよく似合う店員がにこりと笑って、サービスで笑い返したらちょっと赤くなった。中々に可愛らしい。昔の祐巳ちゃんほどではないけれど。箱庭の子羊たちくらいかな。ああでも童顔だけど20越えてそうだなあ。 佐藤聖の女の子観察眼は無駄に高性能なのだ。もっとも真相があらわになる日なんか十中八九来ないのだけれども。 (一か二の可能性に当たったら蓉子の機嫌は間違いなく降下するしね。可愛いんだから。) 「そういえば、」 ぴこりと跳ねるツインテールを目の保養にしながら、 「私のお姉さまはストレートが好きだったなあ」 さっきの店前での問答を蒸し返してみる。 祐巳ちゃんが浮かべたのはちょっと意外そうな顔つき。それは記憶より随分とおとなびてはいたけれど隠さず駄々漏れなところは相変わらず祐巳ちゃんそのもので、安心のその仕草に私は息を漏らしてしまった。 笑うというにはゆるく、ため息なんかではもちろんない。かといって感嘆ほど大袈裟でもない。 膨らみかけた頬が戻されてわざと怒ったような顔。 おお。どことなく、紅薔薇の貫禄。 |
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2010 10,14 23:40 |
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雰囲気変わってしまって入れ損ねたつまり没ネタ。
「こういうのに自分のお願いを書くって、初めてなのよ」 「へえ?」 小さい頃から家内安全とか書いてたのかな。皆が幸せでありますように? 蓉子なら世界平和だって素直に願ってそうだ。小さな手が掴めるもの。掴めないもの。 「本当の願い事を書いたのも初めて」 「本当?」 「……我欲って言うのかしら」 それじゃあサンタさんには何をお願いしていたの? 何歳まで信じてたのか、鎌をかけようが酔わせようが頑なに口を割らない蓉子のトップシークレットをつつくのは最近薮蛇だ。 しつこい私が悪いって蓉子は言うけれど。墓場まで持っていくような秘密でもないでしょうに。 「今までは?」 「織姫と彦星がちゃんと出会えますように」 「ぶっ」 お約束を尋ねたらお約束で返された。直球過ぎて逆にクリーンヒットした。 うっすいアルコールが逆流して鼻が痛い。 「せーいー?」 「わ、」 拗ねた声に一拍遅れて布巾が飛んでくる。 |
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2010 10,02 00:07 |
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昨日の続き(と人様のネタを元に勝手にフィーバー)から派生したネタをメモしておく。登場するのは聖蓉です。
今のに区切りがついたら。……たぶん。 ……聖? 志摩子がさ、 首まで絞められそうな勢いできゅうとしがみついて来る聖が、私のことを何も考えずにぽとりと思いをこぼす。 江利子と付き合ってたんだって え? 妹の話はタブーではない。ないからこそ、息をするより自然に流されていくのが常だった。少なくとも志摩子は。わざわざ話すことなんてないという風情を保つのが、聖の命題のひとつにさえなっている節があったというのに。 むかし、の話だけど、 戸惑った様子を。隠しもせずに聖は私に、もたれた。ふう、とため息に近い深呼吸があって、小さく首が振れて、聖は混乱をなんとか整理しようとしたようだった。成功しているとは言い難かったけれど。 嫌がっている、風でもなかったから私は聖の吐露をただただ待ち続ける。 |
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2010 09,30 21:14 |
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某方の密やかな江志にたぎったので昔の書きかけを引っ張り出してきました。珍しく展開が決まってる話なのでこの勢いのまま書けたら……いいな。江蓉はあれで一応一区切りなんですサイト掲載時に蓉子視点は足すかもですが。
吸い込んだ息は吐き出さなきゃならない。 江利子さまはきっと気にしない。私には確信があった。もしかしたら、面白がりすら、するかも知れない。その光景は想像するだけで私の背筋を凍らせるけれど、嵐のような私の怒りも絶望も、なんでもないふりで江利子さまは笑い飛ばすのだろう。 やさしい、というかたちが、ひどく独特なひとだから。 それでも私は言えないのだ。江利子さま自身の腕の中に無造作に埋められた頬の間近で、そよ風にもならない慨嘆の吐息。 ……だってこのひとにゆるされてしまったら、私は。 きっと来年、ここで生きていけなくなる。 お姉さまに支えられて、蓉子さまに見守られて、江利子さまに、……良くしてもらって。これ以上求めたら引き返せなくなってしまう。 「どうして、」 |
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2010 09,27 23:30 |
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RSSでしたっけ? ……RRS?
他人様の夫婦な聖蓉に物凄い勢いで幸せをもらってます。そんな諸々は関係なく江蓉続きです。 選択肢は、できるだけ多く残したいのだ。 蓉子の下に。手札はオープン、やりくちは幾重にも、晒す私を求めて欲しい。 押さえつけない、拘束しない。 身を捩る猶予すら、与えた上で私に。 その願望が不遜だと知っている。蓉子は強引さや乱暴さを欲しがる傾向にあることさえ。完全な主導権と言い換えても良い。身を委ねる幸せを求めるのだ――多重な意味で。 今もほら、蓉子は心細げな表情を隠そうともしていない。 頬に唇をつける。 こうすると蓉子は落ち着くから。 首筋を舐めあげる。 蓉子が満足げな吐息を漏らすから。 好きよ、と、囁く。 私もよ、と返す前に一瞬の空白。 私たちの不幸は、互いの願望の相違をとてもスムーズに埋めてしまえることにあるのかもしれない。 |
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2010 09,23 04:43 |
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割とどうしようもなくなってきた。
江利子に色々言わせるのはでも初めてかもしれない。 お願い、 不安げな顔を、私の下でするのは、やめて欲しい。 呼びかけに振り返ってほころばせる顔、キスの最中に至近距離で見る安らぎ、江利子と囁く頬の赤み。あどけない寝顔よりも幸せそうな表情が、あまりに呆気なく見られるから私は贅沢になった。崖に落ちそうな蓉子の腕を掴み、窓際でふたりダンスを踊る。 繋ぎとめるだけでは、引き戻すだけでは満足できなかった? 与えていたつもりだった。求められて抱く側にまわる、違和と悦楽を気取らせずに、蓉子の表層から深奥までを暴きたてた。一枚剥くごとに安堵を浮かべ、撫で上げれば歓喜に泣く、美しい少女を優越を得る材料にした。 違うと、偽善ぶる自分と、それを嘲笑う私。 ばぁか どちらも、本当の、鳥居江利子だ。 |
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2010 09,21 20:33 |
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展開とかオチとか全く考えてません。やっぱり停滞なのか……。
江利子愛が収束したら脳内の聖蓉も出力したい所存。某所の作品に悶えてます。 もう、おしまい? どうして? 虚をつかれた風の江利子に、どきりとした。 いや、行かないで。 縋る腕は細い。自慢じゃない、けして、誇らしくなんてない。大事な物を掴むことも、大切な人を留めることも、簡単にはいかないから。見苦しくもがくことが出来るのは、みっともなく求められるのは、江利子だけなのに。 お願いだから、 求められなければ拒絶はできない。 江利子が行ってしまったら、私は、どうすればいい? 微かにかかる体重が心地よかった。私を固定することをあまり好まない江利子が、たまに落としてくる重みは、時に途方もない充足をもたらす。たまにだからいいのかもしれない。江利子が渋るから、求めてしまうのかも、しれない。 ばぁか うろうろと迷う私の意識をまとめる、言葉尻の甘さ。 |
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